カリスマ社長に求婚されました
その彩子さんの姿に、私は自分の表情が曇っていくのが分かった。

「まさか、彩子さんたちって優一さんの代わりに仕事をします?」

「ま、まさか……」

と曖昧に答える彩子さんは、みるからに動揺しているし、柊也さんも気まずそうだ。

優一さんが、こんな分かりやすいウソをつくとは思わなくて、ガッカリする自分がいた。

「そうなんですね。変だと思ったんです。クリスマスに時間が取れるはずないもの……」

独り言のように呟いて、私は社長室へ戻り始めた。

すぐさま、柊也さんの「余計なことを言うなよ」と、彩子さんをたしなめる声が聞こえて、優一さんの休みは無理して取ったものだと確信した。


「茉奈、どうしたんだ? さっきまでとは違って、機嫌悪そうに戻ってきたじゃないか」

優一さんはデスクに座ったまま、パソコンから私へ目を移した。

「優一さん、クリスマス本当は忙しいんじゃない。どうして、ウソついたの?」
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