カリスマ社長に求婚されました
「今夜はここは貸切だ。下の階段からは、誰も上がってこれない」

優一さんは夜の海に目をやったあと、私を真剣な眼差しで見つめた。

その表情が、いつもより緊張しているように見えて、私も背筋が伸びる感じがする。

「ふたりきりってこと……?」

「そう。茉奈に、今夜はどうしても伝えたい想いがあったから」

と優一さんは言ったあと、スーツの胸ポケットからひとつの箱を取り出した。

それは、白い小さな箱で、指輪が入っていると直感した。

「優一さん、もしかしてこれ……」

胸が震えていく。

優一さんがゆっくり箱を開けると、そこには輝く指輪があった。

「プラチナのリングで、ダイヤとピンクダイヤがあしらわれているんだ」

大きなピンクダイヤの両サイドに、それより少し小さめのダイヤが埋め込まれている。

「キレイ……。それに、どことなくリングがハートっぽい形。本当に素敵だわ。まさか、これellの新作?」
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