カリスマ社長に求婚されました
それから、普段どおりに出社をすると、同じフロアのみんながすでに来ていた。

「おはようございます、社長!」

まるで待ち焦がれているかのように、ひとりの女子社員が私たちの側へやってきた。

広報部の田端さんで、元気いっぱいの若手社員だ。

柊也さんと彩子さんも、笑顔で少し後ろに立っている。

「おはよう」

優一さんが笑顔で挨拶を返すと、彼女の視線が私の手元に移った。

「もしかして、坂下さんの指輪は社長の……?」

優一さんが黙って頷くと、感極まった田端さんは今にも泣きそうな顔で、みんなの方を振り向いた。

「みんな、せーの!」

なにごとかと驚いて、私はこの場の雰囲気についていけない。

「な、なに……?」

と呟いた瞬間、オフィスに響き渡る声がした。

「相良社長に坂下さん、おめでとうございます!」
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