カリスマ社長に求婚されました
優一さんのプロポーズは、事前にみんな知っていたらしい。

なにせ、私への指輪の制作やら、忙しい時期に休みを取るやらで、説明しないわけにはいかなかったからだとか。

「みんなで、絶対に成功するよねって、祈りながら言ってたんですよ」

と、田端さんは涙ぐみながら言った。

「ありがとうございます……」

そこまで、私へのプロポーズを喜んでくれて嬉しいと思う気持ちと、やっぱり優一さんの人柄だからだと改めて感心する。

優一さんは、ただ仕事で成功しただけの人じゃない。

周りを支えてくれる人たちを、常に大事にしていると、分かっていたつもりだったのに。

「坂下さん、指輪見せてください」

「は、はい」

女性陣に囲まれて、気恥ずかしい思いで左手を差し出す。

みんな感嘆の声をあげて食い入るように見るから、照れくささでいっぱいだ。

いたたまれずチラリと優一さんを見ると、小さな笑顔で頷かれた。
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