カリスマ社長に求婚されました
階段を降りると、大きなシャンデリアが輝く広間が見えた。

丸テーブルがいくつもあり、その上には料理が置かれている。

立食形式で、フレンチから中華、和食まで様々あった。

そこをみんな思い思いに回り、グラス片手に談笑をしている。

「茉奈ちゃん、お酒飲める?」

呆然と夢見心地でいると、相良さんに声をかけられて我に返った。

「あ、はい。大丈夫です」

「じゃあ、少し食事にしよう。このあとは、ビンゴやダーツゲームがあったりで、落ち着かなくなってくるから」

流れまできちんと把握しているなんて、相良さんは何度も来たことがあるのか……。

それにしても、クリスマスイプの夜にシングルでパーティーに出席する相良さんに違和感を覚える。

だいたい皆、パートナー同伴なのに。

仕事の絡みで来ているなら、私が邪魔だろうから、それも違うのだろう。

謎でいっぱいの相良さんが気になってしまい、せっかくの料理もどこか上の空で食べていた。

そして、一通り食事とお酒を済ませると、正面のステージでビンゴゲームが始まった。

司会者が説明をし始め、出席者はそちらに注目する。

私も自然と聞き入っていると、なんとビンゴゲームの景品が、ellのジュエリーだと分かって驚いた。

透明のケースに、ネックレスにピアス、そして指輪が収まっていて、キラキラと輝いていた。

「ビンゴの景品にまで、ellが提供されているんですね?」

興奮気味に相良さんに言うと、彼は苦笑いを向けた。
< 27 / 287 >

この作品をシェア

pagetop