カリスマ社長に求婚されました
「だって……」

どこにいても人の目を引くから、ちょっと心配になるのに……。

優一さんにたしなめられるように言われ、小さくなり口を尖らせた。

「そういうのを見て不安になるくらいなら、ずっとオレだけを見てろ」

「優一さん……」

もう、恥ずかしいことをサラッと言っちゃうんだから。

だけど、本当にそうかも……。

せっかくのハネムーンなのに、ヤキモチばかり妬いてたんじゃ台無しだ。

「それとも、そんなに周りの目が気になるなら、今ここでキスしようか? 見せつけてしまえばいい」

「えっ⁉︎」

さすがに驚きで声を大きくすると、優一さんがハハッと笑った。

「冗談だよ、冗談。だけど、さっきみたいなことを何度も言うなら、本当にキスするからな」

「……分かったわ」

リゾート地に来ているからか、初めてのふたりきりの旅行だからか、優一さんってばちょっと開放的になってる気がする。

だけどそれが、けっこう嬉しかったりして……。
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