カリスマ社長に求婚されました
赤いスポーツカーを借りた優一さんは、右側通行も難なく走っている。

アメリカ滞在歴が長いのだから、彼にとってはたいしたことじゃないのかもしれない。

だけど私には、優一さんがますます頼もしくみえて、胸をときめかせていた。

「優一さんって、本当になんでもできるのね。私、こうやって夫婦になってからも、ずっと優一さんに恋してる」

ハワイの道路は広くて、みんな穏やかな運転をしている。

優一さんも、日本のときよりずっと優しい運転をしながら、照れくさそうに答えた。

「ただ運転してるだけじゃないか。それに茉奈、恋してるのはオレも一緒だよ。どうしてだろうな、側にいればいるほど、茉奈をもっともっと好きになる」

「優一さん……」

ハワイに着いたばかりなのに、もうふたりきりになりたいと思ってしまってる。

結局、私にとっては場所なんてどこでもよくて、優一さんさえ側にいれば、それだけで幸せなのだと改めて気づいた……。
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