カリスマ社長に求婚されました
最初に向かった先は、アラモアナショッピングセンター。

オワフ島最大のオープンエア・ショッピングセンターだ。

ファストファッションの店から、高級ブランド店まで様々で、優一さんはいつかellのショップをここに出したいと言っていた。

「ねえ、優一さん。せっかくだから店舗出店のチェックしてみましょ」

ここにellのお店がある、それを想像するだけでワクワクしてくる。

だけど優一さんは、ゆっくりと首を横に振った。

「せっかくの新婚旅行なんだから、仕事を考えるのは後回しにしよう。茉奈、自分の好きなところに行っていいんだぞ?」

「そう……?」

いいのかな……と思う気持ちもあるけど、優一さんの好意に甘えよう。

ショッピングも、ここへくる楽しみのひとつだったのだし。

「じゃあ、優一さん。一時間ほど別行動でもいい? 振り回すのも悪いし……」

あらかじめ、目星はつけておいたから、その店からゆっくり見ていこう。

服選びに男性を付き合わせるのは、苦手なのよね……。

すると、優一さんは渋々ながら頷いた。
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