カリスマ社長に求婚されました
「茉奈ちゃん、ビンゴより少し夜風に当たらないか?」

「え? でも……」

せっかく景品がellのアクセサリーだから、参加はできなくても見てみたい気がする。

本音は参加したいけれど、私はパーティーのお金を払っていない。

代金は相良さんが払ってくれているみたいだけど、それを聞いてもはぐらかされてしまった。

心の中で残念に思う気持ちが伝わったのか、相良さんは私の頭をポンポンと優しく叩いた。

「ビンゴに参加させてあげたいけど、茉奈ちゃんが手に入れる最初のellが、景品というのはイヤだな」

と言われてしまい、彼に従って部屋を出るしかない。

この場で私がワガママを言える権利はないのだから。

小さく頷くと、相良さんは満足そうに歩き出した。

ついていくと広間の先には大きなウッド調の扉があり、そこを開けると甲板へ続いている。

車から見えたイルミネーションは、ここだったらしい。

「スゴイ……。身近で見ると迫力ありますね」

夜の海をバックにしているからか、ネオンがより映えていた。

足元も白と青の電球の道になっていて、雪だるまやツリーなどクリスマスでお馴染みのものが、両サイドに飾られていた。

「キレイだろ? ゲームが終わるとここも騒がしくなるから。今だけなんだよ。こんなに静かに見れるのは」
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