カリスマ社長に求婚されました
英語でまくしたてているその声は、 間違いなく優一さんのものだった。

「優一さん!」

相手は優一さんの迫力に気圧されたらしく、力が緩んだのが分かった。

その瞬間に、周りの目なんて構わず、優一さんの胸に飛び込んだ。

「心配かけさせるくらいなら、単独行動はさせないぞ」

「うん、ごめんなさい……」

よかった、優一さんが助けにきてくれて……。

いつだって私を守ってくれる優一さんに、私は幸せと安堵感と、そしてときめきを感じていた。

そして優一さんのおかげで、無事に車に戻れた私は、車内でこってりしぼられた。

迷子になったとき、不安そうにキョロキョロしていたことが、隙を作っていたこと。

ブランドもののショッピングバッグが、相手にお金を持っていると印象づけさせて狙われたということ。

それを説明され、私は小さくなるしかなかった。

「茉奈がひとりがいいと言うから、渋々オーケーしたけど、これからは絶対に許さないからな」

ハンドルを握る優一さんは、眉間にシワを寄せて怖い顔をしている。
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