カリスマ社長に求婚されました
相良さんには、もう会えない……。

昨夜、『おやすみなさい』と交わした言葉が最後になってしまったなんて。

せめてもう一度、会いたかった……。

ドン底に沈みそうだった私を、ここへ連れてきてくれた相良さんに、心残りなくお礼が言いたかった。

だけど、それは叶わないのだから、どうしようもない。

ハンカチはバッグにしまって、スタッフの人に挨拶をすると船を後にした。

外は寒いけど、澄みきった青空が広がっている。

この空のように、私の心も晴れて前に進められたらいい。

さようなら、相良さん。

そして、夢を見させてくれて、ありがとうございました。

途中でタクシーを拾うと、そのまま自宅へ向かう。

相良さんと過ごした余韻にしばらく浸っていたくて、今日は家で過ごそうと決めた。
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