カリスマ社長に求婚されました
初めて入った店内は、白が基調の清潔感溢れるもので、ポイントに薄いピンク色の線が、天井と床の中間地点にストライプ柄として入っている。
静かにクラシックが流れていて、ellの洗練された高級感なイメージを漂わせていた。
ジュエリーケースの向こう側には若いキレイな女性の店員さんがふたりいて、笑顔を崩すことなく視線だけを私たちに向けた。
社長に手を引っ張られて入る私を、きっと不審がっているに違いない。
相良さんだって、どう思われるか分からないのに、お構いなしに足早に店内を横切っていく。
そして奥にあるドアを開けて入ると、すぐに鍵を閉めた。
この部屋がなにに使われているのか、そんなことを確認する間もなく、突然私は相良さんに抱きしめられた。
「茉奈ちゃん、会いたかったよ……」
「さ、相良さん……?」
心臓が痛いくらいに、鼓動が速くなっている。
相良さんの言葉の真意が、すぐには理解できないけれど、私も彼に会いたかった。
その気持ちを今改めて感じて、体を離せないでいた。
「パーティーが終わってから、早朝に仕事のトラブルの連絡が入ってね。会社に行かなくちゃいけなくなったんだ」
痛いくらいに私を抱きしめ、相良さんはゆっくりとそう言った。
「はい……。向井さんから伺いました」
「オレも彼女から聞いたよ。茉奈ちゃんが、ハンカチを返したがっていたことを。本当は、すぐに戻ってくるつもりだったんだ」
「えっ⁉︎ そうだったんですか?」
思わず体を離して顔を上げようとすると、相良さんは半ば強引に抱きしめ直した。
「ああ。だけど、船に戻ったときには茉奈ちゃんの姿が見当たらないだろ? スタッフに聞いたら、帰ったと聞いて愕然としたよ」
静かにクラシックが流れていて、ellの洗練された高級感なイメージを漂わせていた。
ジュエリーケースの向こう側には若いキレイな女性の店員さんがふたりいて、笑顔を崩すことなく視線だけを私たちに向けた。
社長に手を引っ張られて入る私を、きっと不審がっているに違いない。
相良さんだって、どう思われるか分からないのに、お構いなしに足早に店内を横切っていく。
そして奥にあるドアを開けて入ると、すぐに鍵を閉めた。
この部屋がなにに使われているのか、そんなことを確認する間もなく、突然私は相良さんに抱きしめられた。
「茉奈ちゃん、会いたかったよ……」
「さ、相良さん……?」
心臓が痛いくらいに、鼓動が速くなっている。
相良さんの言葉の真意が、すぐには理解できないけれど、私も彼に会いたかった。
その気持ちを今改めて感じて、体を離せないでいた。
「パーティーが終わってから、早朝に仕事のトラブルの連絡が入ってね。会社に行かなくちゃいけなくなったんだ」
痛いくらいに私を抱きしめ、相良さんはゆっくりとそう言った。
「はい……。向井さんから伺いました」
「オレも彼女から聞いたよ。茉奈ちゃんが、ハンカチを返したがっていたことを。本当は、すぐに戻ってくるつもりだったんだ」
「えっ⁉︎ そうだったんですか?」
思わず体を離して顔を上げようとすると、相良さんは半ば強引に抱きしめ直した。
「ああ。だけど、船に戻ったときには茉奈ちゃんの姿が見当たらないだろ? スタッフに聞いたら、帰ったと聞いて愕然としたよ」