カリスマ社長に求婚されました
「そこまで前向きになれたなら、良かった。茉奈ちゃんって、けっこう行動的なんだな。感心する」

「いえ……。そんな立派なものじゃないです。だいたい、仕事が見つからないままなんで。このままじゃ、実家に帰らなくちゃならないかも……」

思わずため息がもれてしまった。

せっかく相良さんと再会できても、地元に戻ったのでは簡単には会えなくなる。

「茉奈ちゃんの実家は、どこにあるんた?」

「広島です……」

と答えると、相良さんは表情を曇らせた。

「広島か……。それは、けっこう遠いな……」

腕組みをして口を堅く閉じた相良さんは、視線を上にしてなにか考え込んでいる。

いったい、なにを考えているのだろうと黙って待っていると、相良さんが私に穏やかに言った。

「なあ、茉奈ちゃん。ellで働かないか?」
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