カリスマ社長に求婚されました
「社長秘書ですか? それはつまり、相良さんの側で働くということですよね……?」

ますます受け入れがたい話に、おずおず尋ねると、相良さんはニコリと微笑んだ。

「そうだよ。仕事なら、オレが教えてあげられるから」

「で、ですが……」

そんな簡単に決められることなのか謎だけど、相良さんは私の動揺をまるで意に介していない。

それどころか、さらにダメ押しをしてきた。

「仕事が見つからなかったら、広島に帰らないといけなくなるんだろ? いいのか?」

「それは、困ります……」

相良さんに、なかなか会えなくなるのは避けたい。

せっかくこうして再会できたのに、遠く離れてしまったら、今度こそ忘れられてしまいそうだ。

だけど、未経験でしかもあの憧れのellでの社長秘書の仕事を、即答で返事ができるわけがなかった。

「オレはこのまま、あのイブの夜みたいに、茉奈ちゃんと離れてしまうのは嫌だ。もっときみを知りたい……」

「相良さん……。それは、私も同じです。住む世界が違う方だと分かっていながら、どこかで会いたいと思ってました」

相良さんのストレートに気持ちをぶつけてくる姿に押されて、私も自分の想いを伝えていた。
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