カリスマ社長に求婚されました
すると相良さんは、パッと顔を輝かせた。
「じゃあ、引き受けてくれるだろう? 秘書の仕事を」
あまりに嬉しそうな顔をする相良さんに、私は恐縮しながら答えた。
「未経験なので、ご迷惑をかけるかもしれません……」
「構わないよ。全てオレがサポートする」
力強く言う相良さんに、私は胸を高鳴らせながら頷いていた。
「ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いします」
「ありがとう、茉奈ちゃん」
相良さんはホッとしたように、私を優しく抱きしめた。
お礼を言うのは私の方なのに、ここまで側にいることを望んでくれるなんて、夢を見ているようだ。
そのあとはほとんど夢見心地で、相良さんから説明された出勤に関する話を、ひたすらメモに取っていたことだけは覚えている。
秘書だから、スーツ着用が必須だけど、ヘアスタイルには細かな規定はないとか、ellの雰囲気を壊さない振る舞いをしなければいけないとか。
出勤日は、週明けの月曜日からとか、そういう話だった。
そして、私たちは連絡先を交換し、月曜日まで少しの間お別れをした。
初出社までの間、スーツの準備をしたりellの本社ビルを確認したりで、落ち着かない日を過ごす。
相良さんは仕事で忙しいらしく、月曜日までは会えない。
それでも日曜日の夜、『明日、茉奈ちゃんが出勤してくるのが待ち遠しい』と、メールを貰えた。
それが嬉しくて、朝が待ちきれないほどだった。
そして月曜日、ショップから徒歩十五分ほどの場所のオフィスビル群にあるellの本社へ向かう。
五十階建てのモダンなグレーのビルに本社があり、四十七階から最上階までがellのオフィスだ。
相良さんがいる総務フロアは五十階にあり、緊張感いっぱいでエレベーターに乗り込んだ。
突然、社長秘書に命じられた私を、他の社員の人はどう感じるだろう。
そのことを特に不安に思い、エレベーターを降りたところで、
「おはよう、茉奈ちゃん」
相良さんに穏やかな笑みで迎えられた。
「じゃあ、引き受けてくれるだろう? 秘書の仕事を」
あまりに嬉しそうな顔をする相良さんに、私は恐縮しながら答えた。
「未経験なので、ご迷惑をかけるかもしれません……」
「構わないよ。全てオレがサポートする」
力強く言う相良さんに、私は胸を高鳴らせながら頷いていた。
「ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いします」
「ありがとう、茉奈ちゃん」
相良さんはホッとしたように、私を優しく抱きしめた。
お礼を言うのは私の方なのに、ここまで側にいることを望んでくれるなんて、夢を見ているようだ。
そのあとはほとんど夢見心地で、相良さんから説明された出勤に関する話を、ひたすらメモに取っていたことだけは覚えている。
秘書だから、スーツ着用が必須だけど、ヘアスタイルには細かな規定はないとか、ellの雰囲気を壊さない振る舞いをしなければいけないとか。
出勤日は、週明けの月曜日からとか、そういう話だった。
そして、私たちは連絡先を交換し、月曜日まで少しの間お別れをした。
初出社までの間、スーツの準備をしたりellの本社ビルを確認したりで、落ち着かない日を過ごす。
相良さんは仕事で忙しいらしく、月曜日までは会えない。
それでも日曜日の夜、『明日、茉奈ちゃんが出勤してくるのが待ち遠しい』と、メールを貰えた。
それが嬉しくて、朝が待ちきれないほどだった。
そして月曜日、ショップから徒歩十五分ほどの場所のオフィスビル群にあるellの本社へ向かう。
五十階建てのモダンなグレーのビルに本社があり、四十七階から最上階までがellのオフィスだ。
相良さんがいる総務フロアは五十階にあり、緊張感いっぱいでエレベーターに乗り込んだ。
突然、社長秘書に命じられた私を、他の社員の人はどう感じるだろう。
そのことを特に不安に思い、エレベーターを降りたところで、
「おはよう、茉奈ちゃん」
相良さんに穏やかな笑みで迎えられた。