カリスマ社長に求婚されました
「すみません……。まだ、実感がわかなくて……」

それも、ellで働く初日で告白されたのだから、この状況についていくだけでいっぱい。

「じゃあ、こうしよう。茉奈ちゃんは、オレを名前で呼んでくれないか？ 『相良さん』っていうのは、他人行儀だし」

「えっ？ ということは……優一さん？」

口に出すと、急に恥ずかしくなってくる。

思わず両手で頬を覆うと、相良さんはクスクスと笑った。

「そう。オレは茉奈って呼ぶ。それと、敬語もナシだ。そうしていれば、自然と実感もわいてくるよ」

「優一さん……。分かりました。じゃなくて……、分かった……」

優一さんはどこまでも、私の気持ちを考えてくれて、居心地のいい場所を作ってくれる。

自分が想われているのはよく分かったけれど、優一さんにとって、私のなにがそんなに惹かれるものだったのか。

それがどうしても分からない。
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