カリスマ社長に求婚されました
彩子さんも驚きで、口を開けている。

「ああ。そんなに驚くことじゃないだろ?」

「驚くって。お前は最後の独り身王子だったじゃないか」

「独り身王子?」

聞きなれない言葉に、思わず口に出すと、彩子さんが気をとり直したように笑顔を戻して言った。

「あのね、優一は若くして成功した、いわゆるシンデレラの男版みたいな人なの。それはそれは、多くの女性が狙ってるんだから」

「そうですか……」

それはまったく不思議ではなく、むしろ納得だけど、それほどの人がどうして私を選んだのだろう。

自然と優一さんを見ると、どこか気まずそうにしている。

「それなのに優一は、四年も彼女を作らなかったから、いつしか独り身王子と呼ばれるようになったんだよ」

補足するように柊也さんは言い、彩子さんは「なかなか若くてイケメンで地位もあって……なんて人いないから」と苦笑いをしていた。

「その話は、もういいだろ? 茉奈、ふたりとはニューヨークに留学していたときの同級生なんだ。そのときに、ジュエリーの勉強をしていたんだよ」
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