カリスマ社長に求婚されました

口調はさっきと変わっていなくて、凄みがあって怖い。

すっかり圧倒されてその場から動けないまま、おずおずと返事をした。

「優一さんの気を悪くしちゃったから。やっぱり、私にはここは似つかわしくない場所かもしれない……」

堂々と自信に満ち溢れている優一さんはとても魅力的だけど、隣に並ぶには自信が持てきれない。

すると、優一さんがゆっくりと振り向いた。

「オレは、世界が違うだなんて思っていない。変に壁を作ろうとする茉奈に、怒ってるんだよ」

「だけど……。私には、憧れのellを創った人が側にいて、その人が恋人だなんて。戸惑うことばかりなのに」

ハッキリしない性格だと、優一さんには呆れられてしまったかもしれない。

でも、それが今の正直な気持ちだった。

俯いていると、ふわりと私を包み込む感触がして、抱きしめられていることに気づいた。

「ごめん、茉奈。きみを責めるより先に、安心させてあげなければいけなかったのに」