カリスマ社長に求婚されました
「優一さん……」

優しく抱きしめられて、体を優一さんに預ける。

「茉奈に距離を置かれた気がしてショックだったけど、もっと距離を感じてたのは茉奈の方だったんだな。分かってあげられてなくて、ごめん」

「そんな……。優一さんが謝らないで。私の発言に思いやりがなかったのよ」

優一さんの優しさは、よく分かっていたつもりだったのに、柊也さんや彩子さんの話を聞いたり、こんな立派なマンションを見たら、急に遠い人に感じてしまっていた。

「オレは茉奈と出会って、時間の長さが全てじゃないと気づいた。たとえ短い間でも、惹かれるものはあるんだって思ったんだ」

「優一さん……。そんなにまで私のことを想ってくれるのが、本当に嬉しいのに。なかなか、自分に自信が持てれなくて……」

優一さんの背中に手を回して、体の温もりを感じていると、だんだん安心してくる。

「茉奈には、辛い別れがあったからだよ。でもオレの側にいる限り、余計な心配も気を回すことも必要ない」

「うん……。ありがとう」
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