カリスマ社長に求婚されました
優一の過去
優一さんはその後、言ったとおりに戻ってきて、副社長は恐縮しながらも由香さんとプレゼント選びの相談をしていた。

どうやら、嶋谷副社長は、たびたびアポなしで訪問をしてくるらしい。

優一さんが他の仕事で対応できないときは、出直してくるとかで、ふたりはまるで兄と弟のように仲がいいことが分かった。

カタログや、タブレットで商品を説明されている夫妻は、真剣な顔で選んでいて、一時間ほどでようやく決まった。

夫妻が帰るため、エレベーター前まで見送りにいくと、副社長が満足そうに優一さんの方を向いた。

「相良さん、ありがとうございました。おかげで母に、よいプレゼントができます」

「いや、こちらこそありがとう」

そして、由香さんの背中に軽く手を触れると、エレベーターに乗り込んだ。

副社長夫妻が帰ると、一気に疲れが出てしまい、社長室でため息をもらしてしまった。

「ハハ。茉奈、お疲れ様。突然だから、ビックリしたろう？」

優一さんは私を見ながら、苦笑いを浮かべている。
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