カリスマ社長に求婚されました
「うん。少し……。優一さんがいないときの対応が、こんなに緊張するものだとは思わなかったわ」

「大丈夫。そのうち慣れるから」

優一さんは、優しく私の頭をポンポンと叩く。

それだけのことでも、胸を踊らせる私は、気持ちを抑えるように話題を変えてみた。

「それにしても、副社長はellの上顧客なのに、いつも謙虚な方なのね」

他の顧客は、電話で話しただけでも威張った雰囲気の人が多い。

でも副社長は、イブの夜に初めて会ったときから、腰の低い人だった。

「ああ。それは、ellが智紀のテレビ局のメインスポンサーだから。複数の番組の予算を、うちがいくらか出資しているんだ」

「そうだったんだ……」

改めて、優一さんの凄さを知ってア然とする。

「それより茉奈。三日ぶりに会ったのに、智紀の話ばかりじゃつまらないだろう?」

と言って優一さんは、私の腰に手を回して引き寄せた。
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