カリスマ社長に求婚されました
「ごめんなさい。私も、とても会いたかったけど……」

嶋谷副社長夫妻の対応で、神経を尖らせていた分、優一さんとの久しぶりの再会の喜びが飛んでいた。

「けど……? それどころじゃなかったってことかな。まあ、いいや。今夜、うちへ来るだろう? 三日ぶりに、ゆっくりしよう」

頷く私に優一さんは穏やかな笑みを向けると、デスクへ戻った。

触れられた腰まわりに感触が残ったまま、私は胸をドキドキさせて仕事を再開させた。

「まずは、スケジュール確認っと」

パソコンに向かって、週末までにやらなければいけない業務の再確認をしていると、金曜日に『新作発表会打ち合わせ』の文字に目が止まった。

「そうだ、優一さん。金曜日の打ち合わせだけど、場所はスセンリプホテルに決まったみたいなの」

スセンリプホテルは、各国の要人や著名人たち御用達として有名な高級ホテルだ。

中に入っているレストランも、海外の三つ星がつくほどの質の高いものが揃っている。

「ああ、分かった。今回は、ウエディングをイメージしたものだから、モデルとデザイナーが同席するはずなんだ」
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