カリスマ社長に求婚されました
「デザイナー?」

いったい、なんのデザイナーだろうと疑問に思っていると、優一さんが薄い冊子をペラペラめくった。

「実は、発表会のモデルが着る衣装を、新鋭デザイナーが担当するらしいと広報部から聞いてるんだが……」

「なるほど。その方の発表会でもあるのかな?」

「らしい……。うちと手を組みたいと申し出があったみたいだ」

さすが、優一さんの仕事の幅は、今でもどんどん広がっていく印象だ。

「じゃあ、あとで確認しておくわ」

「よろしく頼む」

と言ったきり、優一さんはなにか考えごとをしていた。

よほどデザイナーが誰か気になるのか、それとも違うことを考えているのか分からないけど、仕事をしている優一さんを見ていると、幸せな気持ちになってくる。

真剣な顔で業務に打ち込む姿は、プライベートの甘さとは違うかっこよさがあった。
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