カリスマ社長に求婚されました
話を聞き終えた優一さんは、苦笑いを浮かべている。

「堅物か。そんなつもりはないんだけどな。ただ、オレは好きでもない女性と特別な時間を過ごすほど、苦痛を感じることはないんだ」

「そうなの? じゃあ、例えば、優一さんのことをいいなって思ってる人が、食事に誘ってきたら?」

「仕事の付き合いとしてならオーケーするけど」

当たり前だろうと言わんばかりの優一さんに、私は少し呆気に取られる。

優一さんのなかでは、とりあえずデートをするとかは、選択肢にないみたいだ。

それは、私にはとても誠実に思えて安心するけれど、周りに人たちが堅物と言う理由が分かる。

それに、由香さんと初めて会ったとき、『本命の方ですか?』と聞かれたことを思い出し、こういう理由だったのかと納得した。

「優一さんはモテるんでしょ? 周りの女性は、きっと声をかけたくても、なかなかできないのかな……」

私には、その方がありがたいけど……。

「そうなのかもしれないな。それより茉奈、他の女性の話をするなら、違うことをしないか?」

「違うこと?」

優一さんはニヤッと笑うと、軽く唇にキスをした。

「もう一回、茉奈を抱きたい。周りの噂なんてどうでもいいくらいに、きみに夢中だから」

と言った優一さんは、私に覆いかぶさり体中にキスをした。
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