好きって言っちゃえ
「はい、交代〜!さぁ!皆さん、最後ですよ〜。最後まで気を抜かないで、しっかりお話してくださいね。では始めっ!」
最後だと聞いてやる気が復活したのか、一旦トーンダウンしていた話し声が一段と大きくなった。そんな中、トーンダウンしたままの組が1組。
「ああ、最後は舞さんでしたね、そういえば。なんか、お久しぶりです」
光俊が舞の前に座りながら小さく頭を下げた。
「宜しくお願いします」
舞ももう習慣になってしまったセリフを言いつつ会釈を返した。
「…」
「…」
「…」
「…なんか聞くことないの?私に」
「…ないっすね〜」
「…」
「俺になんか聞いてくれてもいいっすよ」
「…別に…」
「ですよね…。誰か、いい人いましたか?」
「別にぃ〜」
「舞さん、普段いい男に囲まれてるから、目が肥えちゃって他の男が物足りないんじゃないっすか?」
「ん?いい男に囲まれてる?」
「まぁ、俺を筆頭にっていうんですか?」
「…」
「ちょっと〜、そんな目で見ないでくださいよ。冗談じゃないっすか、冗談」