好きって言っちゃえ
舞は目を細めて薄目で光俊を見る。
「でも、俺の事は置いといて。あの社長とチーフと長い事一緒にいるから、麻痺してるとこ、絶対あると思うな〜」
「どういうこと?」
「社長は器がでかいし、チーフはホント人として優しいじゃないっすか」
「うん…」
表情を戻して光俊のいうことに納得して頷く舞。
「当たり前だと思ってるっしょ?」
「…」
どうやら、当たり前だと思っていたようだ。
「ほら、そんなんだから、チーフの気持ち踏みにじっちゃってるんじゃないっすか?」
「ん?」
「舞さんがやたらに死ぬ死ぬ言っちゃてるから、きっとタイミング逃がしちゃったんだと思いますよ」
「?」
「意味わかんないなら、そのままでいいっす」
光俊が脱力したところで、再び司会の人がマイクを持った。
「は〜いっ!終了でーす。皆さん、お疲れ様でした。ここからはフリータイムとなります。こちらにお料理を用意しておりますので、お食事しながら、気になった人を誘ってトークを楽しんでくださいね。あ、フリートークの時間は40分です。40分経ったらお知らせしますので、そしたら、最初のテーブル席に戻って着席してくださいね。では、フリータイムスタートですっ!」
気合の入った司会の言葉で一同はざわざわと立ち上がり、とりあえず皆、大テーブルに用意されたイタリアン料理を目指した。