好きって言っちゃえ
その時、
「荷物乗せ終えましたっ!」
と秀人が3人の所にやって来た。
「おう。お疲れ」
「…あれ?まだ帰りませんか?」
秀人は動き出そうとしない光俊と航の顔を交互に見る。
「コーヒーでも飲んで帰る?」
美雪も二人の顔を交互に見た。
「片岡さんのおごりなら」
と、光俊。
「じゃ、ブライダルカウンターの方へどうぞ」
「それだと仕事の邪魔になりませんか?」
と、航。
「今日はもう、来店予定のお客様いらっしゃらないし、結婚の話なら、仕事のうちよ」
「なるほどね」
航が納得して頷くと、美雪はブライダルカウンターに向かって歩き出し、光俊と航もその後に続く。
「あれ?帰んないんですか?」
置いて行かれそうな秀人が後ろから呼びかけた。
「悪りぃ、長岡。そのカメラケースも積んどいてくれよ。んで、積んだらお前も来い」
光俊が振り返りながら秀人に指示をし、
「あ、はいっ!」
長岡は言われた通り素直にカメラケースを車に運んで行った。