好きって言っちゃえ
「そうなのよ。で、あれから忙しくて舞と話し出来てないんだけど、あれは何?『結婚しない主義』の二人が意気投合したってことなの?」
「こいつの案に乗っかったら、あんな辱めを受けるはめになったんっすよ。『恒例のキッスターイム!』とかって、あんなのがあるなんて、最初っから言っといてくださいよ」
「だって、まさか二人がカップルになるなんて思ってなかったから」
「いや、ほら、あそこで結婚する気がない二人が他の人書いて、たまたまカップルになっちゃったらその人にも迷惑だし、ひいては片岡さんにも迷惑かかると思って。だったら、二人で完結した方がいいと思ったんですよね」
「え?私の事まで考えてくれたんだ?」
急に目を輝かせるて嬉しがる美雪。意外と美雪も分かりやすい女だ。
「ええ、まぁ」
そこに、
「失礼しまーすっ!」
と、長岡が現れた。
「あ、長岡くん、お疲れ様。えっと、あっちのテーブルに座ってもらってていいかな」
美雪は壁際の小さな2人掛けのテーブルを指さした。
「はい」
秀人は言われた通り、美雪たちが座っているテーブルから離れたテーブルに一人座った。
「その辺のものテキトーに見てて構わないから」
「はい、ありがとうございます」
手持無沙汰だなと思った秀人はすぐに立ち上がり、本棚に立ててある京極写真館が作ったブライダルアルバムを手に取り、座りなおした。その様子を見てから、美雪は光俊に向き直った。
「舞も怒ってた?」
「怒ってましたよ〜、俺たちがからかい過ぎたから。なぁ」
「はい」
あの日の帰りを思い出して、思い出し笑いをする二人。