好きって言っちゃえ
「ねぇ、ねぇどのくらい上手になったんですか?」
パスタをほおばりながら、哲平が皆を見渡した。
「そうだなぁ。この前の練習試合が2だったとしたら、今はまぁ6ってとこかな」
と、悠一。
「まさか、100点満点じゃないよね?」
と、哲平。
「言うね〜」
光俊が面白がる。
「だって、勝たないといけないんでしょ?あ、知ってる?」
「何を?」
「熊田先生も出るんだって。あのバレー大会」
「熊田って、あの顧問の?」
と、航。
「うん。バレー歴40年だってさ」
「…で、哲平くんから見て、6点の俺らはその熊田先生のチームに勝てそうなのかな?」
と、光俊。
「6点じゃ〜な〜。熊田先生のチームの人がどんな人がいるのか知らないけど、熊田先生1人だけで8点はあるもんなぁ」
「ちなみに哲平くん自身は何点?」
「僕?僕は〜、7点かな」
「じゃ、ダメじゃん」
「だから、作戦練らないと」
「作戦か〜」
真顔になる光俊。なんせ20万懸かっているのである。
「熊田先生相手なら、とりあえずのポジションは決めてた方がいいかもな」
と、悠一。
「ポジション?」
「ああ。セッターだけでも決めてた方がいいと思うよ。折角レシーブして拾ってもそのあと譲り合って誰も打たないって事だけは防げるからな」
「なるほど」