好きって言っちゃえ

大会の会場である市内の体育館には結構な人が集まってきていた。6人は逸れないように固まって、中に入り、受付を済ませ、トーナメント表をもらった。6人はとりあえず2階のスタンドに席を確保し、円になって、トーナメント表を確認した。

「うわ、何チーム出るんですか」

ズラッと並ぶ名前に怯む秀人。

「あ、うちのチームあった」

町内会対抗の試合だが、チーム名は好きにつけて良かったので、京極写真館のチーム名は『チーム京極』で登録してある。哲平が指さしたの所からだと、4試合勝たないと優勝にたどり着かない。

「哲平くん、熊田先生のチームどれかわかる?」

と、悠一。

「あ、わかるよ。先生のは『熊マンズ』だから〜」

「熊田全面押しだな」

と、光俊。

「あ、あった」

その名前は、チーム京極とは決勝でしか当たらない場所に書き込んであった。

「よしよし。他がどんな感じだかわかんないけど、とにかく、自分たちを信じて頑張ろう」

と、悠一が皆の顔を見渡した。

「それでは〜、今から開会式を始めますので選手の方はコートに並んで下さい」

との放送がかかり、いよいよ大会が始まった。
< 132 / 209 >

この作品をシェア

pagetop