好きって言っちゃえ
本気を見せる日

その日の夕方、美雪に呼び出されて舞は久々に居酒屋に飲みに出た。

「カンパーイ」

二人はキンキンに冷えた生ビールのグラスを合わせた。

「で、何?わざわざ呼び出して」

「たまには舞と飲みたいなと、思ってさ」

「嘘ばっかり」

「嘘じゃないわよ」

「じゃ、なんで、飲みたいと思ったわけ?」

「それはさぁ~」

「ほら、なんか言いたい事があるんでしょ?お願い事なら、今日の支払い美雪持ちね」

「・・・」

グラスを持ったまま言い返さない美雪を見て、舞はグラスを置き、腕組みをして美雪を見る。

「なんなのよ、一体。怖いなぁ」

「実はさぁ・・・」

美雪はグラスを置くとバッグの中から4つ折りにしてある紙を取り出し、舞に差し出した。

「これ」

舞は、紙を受け取ると広げてみる。A4サイズのその紙に書かれた見出しは、

「『結婚したいあなたへ』って、またこれ~っ?」

そう、以前美雪に頼まれて参加した婚活イベントの次回募集チラシだった。

「お願いっ!」

美雪はバッ!と舞に向かって手を合わせた。

「お願いされてもさ~」

舞は前に参加した時に『いかさま』で光俊とカップルになったことを思い出した。

「私、ブラックリストなんじゃない?」

「そんなことないって、大丈夫だって!ね?それに、今回は私も行くから」

「へ?社員はダメなんじゃなかったの?」

「今回は、スタッフとして参加しないから、大丈夫なの」

「へ~、そうなんだ」

「だから、舞も参加して」

「でもな~」

「そして、もう一度、平野くんと、西尾くんを誘って」

「は?あの2人を?またそんなに人数足りないの?」



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