好きって言っちゃえ

「じゃ、私も行かなくて良くない?」

「それはダメっ!」

「なんで?」

「私一人にしないでよっ。西尾くんと二人っきりなんて、緊張するじゃない」

「二人っきりじゃないでしょ。ほかの参加者がいるじゃない」

「馬鹿言わないでっ。他はライバルなんだから~」

「・・・はいはい」

「だから、舞は来てっ。平野くんの代わりはこの際、長岡くんでもいいから」

勝手なことを言う美雪に呆れながらも、その必死さをかわいいとも思う舞であった。

「わかった。やっぱり、社長から言ってもらうのがいいと思うから、伝えとく。チラシかなんか持ってきてる?」

「もちろん!」

美雪はバックから『結婚したいあなたへ』のチラシを取り出して、舞に両手で差し出した。

「宜しくお願い致します」

「西尾くんが行けるように頑張ってはみるけど、あとは、自分で頑張りなさいよ」

「はい、頑張ります」

「じゃ、決まり。今日は、美雪のおごりだから、もう1杯飲もうかな~」

「お兄さん!ビール持ってきてっ!」

「はい!喜んでっ!」



< 177 / 209 >

この作品をシェア

pagetop