好きって言っちゃえ
「じゃ、私も行かなくて良くない?」
「それはダメっ!」
「なんで?」
「私一人にしないでよっ。西尾くんと二人っきりなんて、緊張するじゃない」
「二人っきりじゃないでしょ。ほかの参加者がいるじゃない」
「馬鹿言わないでっ。他はライバルなんだから~」
「・・・はいはい」
「だから、舞は来てっ。平野くんの代わりはこの際、長岡くんでもいいから」
勝手なことを言う美雪に呆れながらも、その必死さをかわいいとも思う舞であった。
「わかった。やっぱり、社長から言ってもらうのがいいと思うから、伝えとく。チラシかなんか持ってきてる?」
「もちろん!」
美雪はバックから『結婚したいあなたへ』のチラシを取り出して、舞に両手で差し出した。
「宜しくお願い致します」
「西尾くんが行けるように頑張ってはみるけど、あとは、自分で頑張りなさいよ」
「はい、頑張ります」
「じゃ、決まり。今日は、美雪のおごりだから、もう1杯飲もうかな~」
「お兄さん!ビール持ってきてっ!」
「はい!喜んでっ!」