好きって言っちゃえ
昨日、美雪から『私の人生かかってるんだから、絶対社長から参加OK貰ってきてよッ!!』とプレッシャーをかけるだけかけられて、ただ酒程怖いものはないと身に沁みながら舞は、例の『結婚したいあなたへ』のチラシを片手に、朝ごはんの為に台所に来るであろう剣二を待って、いつもより早めに朝食をとっていた。
そこへ、
「おはよう」
と、現れたのは悦子だった。
「どうしたの?早いわね」
「まあね」
悦子は自分の朝食の準備のために舞に背を向けた。舞は内心、『ああ~、面倒くさい人が先にきちゃったな~』とちょっとブルーな気分になってきた。と、その次に
「おは~」
と現れたのは哲平だった。
「・・・」
なんで、来なくていい奴ばかり先に来るんだ・・・とがっくり来ている舞は返事をする気も無くしてしまっていた。
「なんだよ、舞。朝から無視?おばあちゃん!僕のお願いね~」
哲平はそう言いつつ自分の席に着く。そして目ざとく舞が四つ折りにしてテーブルの端に乗せていたチラシを見つけ、サッと取り上げた。
「・・・あっ!ちょっと!」
哲平の動きについていけていなかった舞は、気づいて手を伸ばしたが、哲平はすでに広げて見出しを読んでいた。
「結婚したいあなたへ?」