好きって言っちゃえ
「さぁ、皆さん。お待たせしましたね。皆さんお揃いになりましたので、とりあえず、名札の番号のお席に着席してくださ~い」
前回の司会者がやはり今回も司会でマイク片手に呼びかけてきた。
「じゃ、また、あとで」
美雪の言葉で4人それぞれ自分の番号のテーブル席を探して移動した。
「あれ?また、隣っすね」
舞が自分の席を探し当てると隣で光俊が丁度座ろうとしていた。
「・・・はぁ」
光俊の顔を見て思わずため息をこぼしながら座る舞。
「いやいやいやいや。なんっすか、それ」
「なんっすか、じゃない」
「は?」
「うるさい」
「うるさいって・・・」
美雪の応援という大義名分で来ているつもりの舞だが、先日剣二に『自分の事も考えて』参加した方がいいと勧められ、悦子が言った『平野くんと美雪ちゃんが結婚したら寂しいわよ』と言った言葉が頭のどこかから離れてないことも認めざるを得ないでいた。が、いざ、ノーテンキそうな光俊の顔を見ると『私は本当にこんな男の事が気になっているのか???』という疑問が沸き、なんかそんな事に囚われていた自分が少々馬鹿らしくも思えてしまうのでもある。その結果、いつも以上に口が悪くなってしまうのであった。
「では、まずは、同じテーブルの方と自己紹介がてらお話ししてくださいね。そのあと、そのテーブルごとにチームになって頂いて、ちょっとしたゲームをして、終わったら、お待ちかね、お1人ずつとお話ししてもらえる時間となりますよ。さぁ、自己紹介始めてくださ~い」
今回は美雪も参加側なので前回のように写真館の3人を固めて配置すること出来なかったので、光俊と舞が隣り合わせたのは偶然だった。ちなみに、光俊と舞が7番、航が12番、美雪が18番。ということで、航と美雪はそれぞれ別々のテーブルとなっている。なので、向こうのテーブルで隣同士に座っている光俊と舞を見つけて、
「ずるい、舞だけ」
と、拗ねる美雪であった。