好きって言っちゃえ
歓迎会


京極写真館の1階店舗に、悦子、剣二、悠一、舞の4人が集まって、それぞれ証明写真用のカメラの手入れをしたり、販売品の並び替えをしたり、しているが、4人ともチラチラと時計を見たり、自動ドアの外を見たりしてどことなく落ち着かない様子。

「もう、そろそろ帰ってくる頃よね」

悦子が時計を見上げ、静寂を破って声を出した。店内の掛け時計は4時を少し過ぎている。

「ええ、そろそろ帰ってきていい時間なんですけどね」

剣二もカメラを拭く手を止めて、時計を見上げた。

「平野からも何にも連絡入って来てないんで、無事に終わってるとは、思うんですけどね」

悠一はズボンのポケットからケータイを出して、何も着信がないことを確認する。

「っていうか、平野くん。無事に終わったって、連絡入れて欲しいよね」

と、少し憤り気味の舞。その時、自動ドアのガラスの向こうに、ミニバンが写真館の横の駐車場に入って来るのが見えた。

「帰ってきたっ!」

いち早く気づいた悦子が、小走りに自動ドアまで行き、外に出た。
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