好きって言っちゃえ
ミニバンがが止まってエンジンを切ると、運転席から航、助手席から光俊が出てきた。
「お帰りなさい」
写真館から出てきた悦子は、両手を振りながら満面の笑みでミニバンに歩み寄る。
「会長〜」
悦子の姿を見て、航と光俊は小走りに悦子に歩み寄った。
「会長自らお出迎えとは、恐れ入ります」
光俊は笑いながら、ちょこっと頭を下げた。
「もう、なかなか帰ってこないから、皆心配してたのよ。あら?秀人君は?」
秀人の姿が見えないことに気付いて悦子がミニバンを見ると、後部座席のドアが開いて、撮影機材を重そうに持った秀人が出て来た。
「あ〜、会長〜。お疲れ様です〜っ」
「まぁ、大丈夫っ?落とさないでよっ」
「大丈夫っすよ、このくらい」
秀人はニコニコしながら、よろよろと建物の中に入って行った。