好きって言っちゃえ
ビールの空瓶も増え、すっかり座る態勢も崩れてきた頃、食べ盛りの哲平だけは、ひたすら食べ続けていた。
「哲平。お前、そろそろ部屋戻れ」
ビール片手の剣二が、哲平にそう言った。
「へ?もう?」
唐揚げを頬張りながらびっくりしたような顔で哲平は剣二を見た。
「もう、散々食ったろ」
「ホント、気持ちいい食べっぷりだよなぁ。若いっていいっすね」
光俊もビールを飲みながら、哲平を見た。
「成長期ですから」
と、答えながらもまだまだ黙々と食べ続ける哲平。
「俺も、成長期にもうちょっと食っときゃ、もうちょっと背が伸びたかもな〜」
と光俊は羨ましそうな声を出した。
「平野さん、何センチなんですか?」
と、隣の秀人が光俊を見る。
「お前、何センチだよ」
聞き返されて、秀人はサラッと、
「175です」
と、答えた。