好きって言っちゃえ

「175ね…」

光俊がぼそっと繰り返す。

「平野さんは?」

と、返事を待っている秀人。

「…」

ジッと見て来る秀人を無視して光俊はビールを飲み続けている。

「あれ?聞こえませんでした?平野さんは?」

真顔でもう一度聞いてくる秀人に、仕方なくチロりと横目で目を合わせる光俊。

「な、なんすか?」

その鋭い視線に思わず怯む秀人。

「聞くな」

「へ?」

「だから、答えにくい事を聞くなっつーの」

「え?身長って答えにくいですか?」

光俊の答えにキョトンとする秀人。その二人のやり取りをエビチリを食べながら隣で聞いていた舞が口をはさんだ。

「自称170。その実、168.5ってとこじゃない?」

舞のその発言に、光俊は秀人を見ていた顔をゆっくり舞の方に向け、

「…」

しばし舞を見つめると、不意に、

「自称48。その実52キロってとこ?」

と、呟いた。

「…」

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