好きって言っちゃえ
舞は、アルコールの回った血走った眼でじわ〜っと光俊の顔を見つめた。
「ちょっと〜。本気で喧嘩売ってんの?」
「恐っ」
光俊は身を引いて舞から離したので、隣の秀人に肩がぶつかった。
「ん?」
悦子たちと話していた秀人は、肩に当たってきた光俊の方を振り向いた。
「なんっすか?」
「あん?ああ、悪い悪い。ちょっと、酔っ払いに絡まれてたから」
「酔っ払い?」
秀人が光俊の指さす方を覗き込むと、舞がガブガブとビールを煽っていた。
「あ…。舞さん、そんなに飲んで大丈夫なんですか?」
「…」
無視して飲む舞の代わりに、剣二が答えた。
「大丈夫、大丈夫。舞ちゃん結構強いから。ま、今日は、精神的に疲れたんだろうね」
「精神的に?」
と、秀人が聞き返す。
「ああ。ブライダルハウスの初日だったからね。自分も現場に行って見てれば安心しただろうけど、待つだけってのは、ストレス溜まるもんだよ」
「信用されてないっすね、俺たち」
と、光俊。