好きって言っちゃえ

「じゃ、戻ってくるんですか?」

と、秀人は光俊を見つめた。

「いや、俺に聞かれても困るけど。ま、そういうことなんじゃねーの」

と、光俊が答えた時、悦子の隣にいる悠一が小声でぼそっと悦子に、

「会長、僕片付けますよ」

と呟いた。悠一から一番離れた席に座ってる光俊だったが、その声が聞こえ、秀人から目を逸らし、悠一を見て少し大きな声を出した。

「え?チーフが片づけるってことは、俺らもですよね?」

「いや、そういうわけじゃ…」

まさか、光俊が反応して来るとは思っていなかった悠一は、思わず口ごもる。

「大丈夫よ、心配してくれなくても。私と舞で片づけられるし、そんなことしてもらったら申し訳なくて、うちで歓迎会したこと、後悔しちゃうわ」

と、悦子。

「いや〜、そしたら、こっちが申し訳ないっすよ〜」

と、唯一赤ら顔でお酒が回ってきている様子の航がとろ〜とした口調で大げさに口を出した。

「お前、そんなんじゃ、邪魔になるだけだろ」

と、航を見てあきれた顔の光俊。

「はぁ?なんか言いました〜?」

航には全然光俊の言葉が届いてないようだった。
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