好きって言っちゃえ
バレーボール大会出場

京極写真館の新メンバーの3人もブライダルハウスの仕事を無難にこなし、4月の終わりには、一番初めにブライダルハウスで撮影し、光俊が構成したウェディングアルバムが出来上がる日が来た。印刷製本会社から、宅配で届けられたアルバムの完成品を1階の店舗で悦子と一緒に店番をしながら待ち受けていた秀人がサインして受け取り、急いで階段で2階に駆け上がった。

「来ましたっ!」

2階のスタジオのドアを開けると同時に叫んだ秀人の声に、スタジオの奥の作業デスクが置いてある部屋から剣二を筆頭にぞろぞろと出て来て、お客様との打ち合わせ用に置いてあるテーブルを囲んだ。

「開けますよ〜」

とテンションの高い秀人が箱を開け、中から製本されたウェディングアルバムを取り出した。表紙には白いタキシードの新郎がウェディングドレスの新婦に指輪をはめる瞬間の写真が小さなプレートではめ込んであった。

「おお〜。いいっすね」

航が前のめりになってアルバムを覗き込んだ。続いて秀人が表紙をめくろうとすると、光俊がその手首をガシッっとつかんで止めた。

「な、なんっすか?」

急な出来事に驚いて秀人は光俊を見る。光俊は秀人から手を放しながら、剣二を見た。
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