好きって言っちゃえ
中学生と練習試合をした次の日。朝、剣二がいつも通りにデスクに向かっていると、
「おはようございま〜すっ!」
大きな挨拶と共に秀人が入って来た。
「おう、おはよ」
「あれ?」
秀人はきょろきょろと作業部屋を見渡す。
「舞さん、今日休みですか?」
いつもなら、秀人より先に剣二と舞が出社している。が、今日は舞の姿が見当たらない。
「ああ〜、舞ちゃん。もうすぐ来るよ。今日はどうやらここまでが遠そうだったから」
今朝見た舞の姿を思い出し、思い出し笑いをしてしまう剣二。
「ここまでが遠い?」
剣二が言った意味も、笑っている意味も分からないまま秀人は自分の席に座った。と、そのときゆっくりとドアが開いた。
「おはようございます…」
「あ、おはようございますっ!」
現れたのは、ゆっくりと歩む舞だった。
「どうしたんですか?」
「ん?どうしたかって?そんなの…」
舞が答えかけた時、
「おはようございま〜す」
と、残りの3人が舞と同じようにゆるゆると歩きながら現れた。