好きって言っちゃえ

「どうだ?もう、優勝は諦めたか?」

手を止めて、笑いながら剣二は4人を見渡した。

「優勝は無理ですかね〜」

と、航。

「いや、なに言ってんだよッ」

と、光俊。

「なにって、この感じじゃ無理でしょ。しかも昨日ぼろ負けだったし」

「いやいやいや。町内会のそこいらのおじさんは、現役中学生みたいにバシバシ打ってこないっしょ」

「どうかな。昨日の子たちの中にも大会に出るって言ってた子いたぞ」

と、悠一。

「え?マジッすか」

固まる光俊。

「やっぱ、無理じゃないですか〜」

と、航。

「まぁ、こっちは哲平くんに頑張ってもらうしかないでしょうね」

悠一が剣二の方を見た。

「あ〜。哲平はもう優勝は諦めたみたいだったぞ。大人は誰も役に立たないって」

「え?マジっすか?」

「僕も、バレーやってたのって、卒業以来20年ぶりだったんで、びっくりするくらい体動かなったですからねぇ」

と、苦笑いの悠一。

「チーフは仕方ないとしても、長岡っ。お前、全然だったじゃねーかっ!」

と、光俊。

「そうだよ。バレー部だったんだろ?」

と、航。
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