好きって言っちゃえ
「今が使う時じゃないかと思って」
「今が建て替え時期ですか?」
と、剣二。
「違うわよ。建て替えるのは止めて、新しく建てたらどうかと思って」
「新しい写真館を、ですか?」
と、再び剣二。
「違うわよ。寮よ、寮。社員寮」
「社員寮〜???」
思わずキョトン顔の剣二、舞、哲平がハモる。
「そ、社員寮」
なぜか満足げな表情の悦子に、恐る恐る剣二が尋ねる。
「で、どこの社員が入るんですか?その社員寮に」
「どこって、京極写真館の社員に決まってるじゃない」
「え?じゃあ、私、ここ出てその社員寮に住めるってこと?」
「もう、舞は馬鹿じゃないの。そんなことの為に建てるわけないでしょ」
「馬鹿じゃないのって・・・」
「ははっ。舞ちゃん、馬鹿って言われてる」
と、面白がって指を指して笑う哲平の足をテーブルの下で蹴る舞。
「イテっ」