好きって言っちゃえ
次の日の朝、ウキウキした表情で悦子がスタジオ裏の作業場に顔を出した。
「みんな、おはよう」
「おはようございますっ」
「昨日聞いたんだけど、皆でバレーの練習するんですってね?」
「ええ。そういうことにしました」
と、悠一。
「会長が、優勝賞金の話つけてきてくださったんですから、優勝しない事にはね」
と、光俊。
「そうよね。優勝しないとね。で、いつ練習するの?」
「そんなのまだ決めてません。皆それなりに。忙しいんだから、会長みたいに店番ほったらかして遊んでるような暇はないの」
と、会長に冷たく言い放てるのは娘の舞だけだ。
「あら、人聞きが悪いわね。まだ開店前だから聞きに来たんじゃないの。練習するなら場所もいるでしょ?近くの小さな体育館だったら安く借りれるから、会長として、私がスポンサーになってあげようかと思って来たんだけど」
「マジっすかっ」
悦子の言葉に、すぐに光俊が食いついた。
「マジっすよ」
光俊の反応に満足気な悦子。