好きって言っちゃえ

「ま、赤ちゃんの撮影が入ったら、僕が引き受けるんで、その日はチーフも気にせず試合に行っていいぞ」

と、剣二。

「ねぇ、まさか、試合の日まで毎週やるってわけじゃないよね?」

舞はふと手を止めてじわっと皆の顔を見渡した。

「え?毎週でしょ?」

航が当然だという顔で舞を見返す。

「毎週〜?」

顔を歪める舞に、

「どうせ、デートの予定は入ってないんっしょ?いいじゃないっすか。ダイエットに励めば」

と半笑いで光俊が呟き、ますます歪んでいく舞の顔。

「あんた、そんな顔してたらますますデートと縁遠くなるわよ」

と、悦子。

「ほっといてよっ。デートなんてする気ないんだから」

ムッとしたままパソコンに向き直って仕事を再開する舞。そんな様子に思わず苦笑いで目が合う悦子と剣二。

「舞は強制参加だけど、皆も毎週火曜日で良ければ予約入れとくわね?」

「宜しくお願いします」

「よし、決まりね」

悦子は頷きながら掛け時計を見上げた。

「さ、そろそろ開店時間だから戻らないと、叱られちゃうわ〜。皆も仕事頑張ってね」

上手く話がまとまり上機嫌で悦子は店番へと戻って行った。かくして、悦子の策略通り、毎週火曜日の仕事終わり、バレー参加のメンバーは近くの体育館で練習することが決まったのだった。












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