好きって言っちゃえ

「俺、手伝うことないみたいだから、帰るわ。あと宜しく」

と、コーヒーを飲んで来てすっかり寛ぎモードの剣二。

「えっ!帰るんっすか?」

思わず同時に突っ込む光俊と航。

「ああ。お前ら二人なら、俺、必要ないだろ?」

「まぁ、正直、社長が長岡の代わりなら、必要ないっすけど…」

と、光俊。

「いや、俺、社長の撮影するとことか見てみたかったんですけど」

と、航。

「大丈夫、大丈夫。俺より、お前らの方がセンスもあるし。それに、もう長岡に迎えに来てくれるように頼んだから」

「え?そうなんですか」

「ああ。じゃあな。終わったら電話しろよ」

と、言い残して剣二は行ってしまった。

「…自由だな、社長」

と、光俊。

「俺らの仕事ぶり見に来ただけなんですかね?」

「そうかもな。ま、任されるってことは、信用されてるってことだから、期待に応えるしかないな」

「そうですね」

二人は頷きあって、気合を入れ直すのであった。
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