好きって言っちゃえ
練習開始
「おはよっ!」
「おはよう」
火曜日の朝、台所で舞がいつものようトーストを食べていると、哲平が現れた。
「舞、今日、練習するんでしょ?」
「練習?」
「バレーだよ、バレー」
「あ〜、バレーね…」
「やるんでしょ?」
「残念ながらやるんだろうねぇ」
「僕も行くから」
「は?いいわよ、哲平は来なくても」
「何で?僕もメンバーだよ」
「部活あるんでしょ?」
「あるけど、終わってから行くよ」
「宿題は?」
「練習終わってからやるよ」
「絶対やんない」
「やるって!」
「やんないって。心配しなくても、今日はたぶん体慣らしするだけだから、哲平の出番はないわよ」
「体慣らし?」
「そ。久々の運動に対応できるようにね」
「ふ〜ん。お年寄りって大変だね」
「お年寄り…」
ムッとする舞だが、先日の筋肉痛の事を思い返して否定は出来ない。
「じゃ、僕のレベルまで来れるように頑張ってよ。それから参加するようにするね。行ってきまーすっ!」
「僕のレベルって、偉そうに…。はいはい、行ってらっしゃい」