好きって言っちゃえ

「熱いうちにどうぞ」

「いただきます」

二人はコーヒーカップに一口、口をつけた。

「で、なんなんすか?お願いって」

「次の日曜日の事なんだけど」

「次の日曜日って、撮影入ってませんよね?」

「そ。入ってないのよ、仏滅だから」

「ですよね」

「だから、暇でしょ?二人」

「いやいや、俺ら仕事撮影だけじゃないっすから。それなりに写した後も忙しいんっすよ」

「そりゃそうだろうけど、1日ぐらい、いや、半日私につきあってよ」

美雪は顔の前で両手を合わせ、拝むように二人にお願いした。

「片岡さんに付き合うって何するんですか?」

「これ」

美雪はポケットから折りたたんでいたチラシを取り出し、広げて、二人の方に向けた。チラシには『結婚したいあなたへ』と、大きく書いてある。

「なんっすか?これ」

「早い話が、お見合いパーティー」

「お見合いパーティー?」

光俊と航の声がハモッた。

「うちと提携してる結婚相談所主催のパティーなんだけど、うちが集めなきゃいけない人数があと3人足りないのよ。で、今日がその締め切りなの。でも、集まってないじゃ許されないのよね、こういうの」

「で、俺らに出ろと?」

「まぁ、そういうこと」

「いわゆるサクラってやつですか?」

「それが、サクラはダメなのよ」
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