性悪女子のツミとバツ
その夜以降、俺たちは度々会っては身体を重ねる関係になった。
彼女はどうしてか、頑なに丁寧に扱われる事を拒み続けた。
それとは、逆に、俺の中には彼女を大切に扱いたいという欲求が次第に大きくなっていく。
強がりながら彼女がベッドの中で時折見せる切なげな表情も、強く抱きしめれば折れてしまいそうな華奢な身体も。
すべてを包み込んで、とことん甘やかしてしまいたい衝動に駆られる。
彼女と、ゆっくりと慈しむように抱き合いたい。
気持ちが通い合うようなセックスがしたい。
その気持ちが何なのかと問われれば、答えは一つしかなかった。
自分でも気が付かぬうちに、
彼女に恋に落ちていたのだ。
自覚した時には、すでに遅く。
それでも、終わりのない欲望の渦の中で、あがらうこともでにずに、ひたすらに堕ちてゆく。
涙がでるほどに切ない思いを、決して表に出すことはなく。
彼女が求める欲望のはけ口という立ち位置に、俺は甘んじ続けた。
二人の関係はまるで薄氷のように繊細で、壊れやすい。
一歩踏み出せば、あっけなく終わる。
自分から終わらせる勇気など、俺に持てるはずもなかった。